サプライヤー責任
カリフォルニアで デザインされた Apple製品。 作っているのは、 世界中の人たちです。
Apple製品は、50を超える国の、数百万の人々の手で作られています。 人に対する敬意と、私たちみんなが共有する地球に対する敬意を、Appleは最も大切にしています。 学びをやめず、常により高い基準を掲げていくのがAppleです。 課題に直面した時は、粘り強く取り組んで持続的な変化を生み出します。
人を第一に考えます。
私たちのあらゆる活動のスタートです。
ロジスティクス(米国)
職場での権利、そして人権 をみんなの 手に。
いつも改善に取り組んでいます。
世界で最高の製品を作るには、いつでも人を第一に考えることが必要です。Appleのサプライヤーは、労働者の権利と人権において最高レベルの基準を保ち、人に対する敬意を事業の基盤とするよう求められます。
人権に関するAppleのポリシーでは、Appleの従業員やお客様、サプライチェーンで働く人々を含む、Appleのビジネスに関わるすべての人を私たちがどう扱うかについてまとめています。Appleのサプライヤー行動規範(以下、「規範」)は、労働者の権利と人権、健康と安全、環境スチュワードシップの分野においてAppleがサプライヤーに求める、一連の厳格な要件を定めたものです。私たちは、15年以上にわたるサプライヤーとの協力を通して、国際労働機関の「中核的労働基準」や「ビジネスと人権に関する国連指導原則」などの最も厳格な国際的フレームワークに準拠した、最高レベルのサプライチェーン基準を推進してきました。規範の見直しを毎年行い、サプライヤーが満たすべき基準を引き上げ、私たちの取り組みに業界内のほかの企業も加わるよう促しています。
Appleは、独立した第三者機関による厳格な査定により、サプライヤーがAppleの基準を満たしているかを確認しています。2022会計年度には、規範に関連する査定を800件以上実施しました。この現場監査では、職場環境から公正な雇用慣行、さらには賃金の適時支払いに至るまで、サプライヤーの業務をすみずみまで対象とした徹底的な調査が行われます。2022年の報告期間に行われた査定のうち214件は、サプライヤーに査定チームの訪問が事前通知されない抜き打ち調査でした。さらにAppleは、多数のサプライヤー製造施設に毎日社員を派遣し、業務のあらゆる側面で協力しています。
Appleの規範に対する違反が見つかった場合、サプライヤーは問題を解決して再発防止策を講じる必要があり、そのすべてがAppleの専門家による監督のもとで行われます。規範に対する重大な違反(最も深刻なレベルの違反)があったサプライヤーは、指導監督の対象となります。その結果、新規事業からの除外やサプライヤーのCEOに対する通知が行われるほか、必要な短期的是正措置を実施しない場合は既存のプロジェクトが一時中断されるなど、ただちに責任を負うことになります。Appleの基準を満たす能力または意志がないサプライヤーは、Appleとの取り引きを打ち切られることもあります。2009年以来、Appleの規範を守っていないという理由で、25の製造サプライヤーと205の素材処理業者をサプライチェーンから除外しました。
最初の仕事は権利を知ることです。
Appleの規範では、従業員が働き始める前に、職場での権利について学べるトレーニングを実施することをサプライヤーに義務付けています。自分の権利が尊重されていない時には声を上げられるようにすることも、トレーニングの内容に含まれます。2021年には、サプライチェーンで行われる権利に関するトレーニングの効果をよりいっそう高めるため、新しいデジタルトレーニングプラットフォームの開発に着手。取り組みやすいように作られたトレーニングが、従業員のモバイルデバイスに直接提供されます。リアルタイムのフィードバックによって、私たちがトレーニングをすばやくアップデートし、知識の強化が必要な部分に対応できるようにしています。
強制労働を許しません。
Appleは、いかなる強制労働も一切容認しません。この基準は、仕事内容や勤務地、雇用形態に関わらず全世界で適用され、すべてのサプライヤー査定で強制労働の証拠がないか調査しています。
強制労働を防ぐための私たちの取り組みは、人々がAppleのサプライチェーンに加わる前の段階から始まります。無償かつ公正な採用プロセスを義務付け、雇用と引き換えに手数料を請求するなどの慣行は、法律で認められていても禁止しています。Appleの取り組みは雇用過程の全体に及び、サプライヤーと関わるたびに、強制労働を防ぐためのAppleの基準を満たしているかを確認しています。
強制労働を防ぐには、教育を行うことと、厳格な基準を定めることがまず必要です。Appleの責任ある労働者採用ツールキットを世界的に広めるため、私たちは2022年に、移住に関する世界有数の専門機関である国連の国際移住機関(IOM)と提携しました。このツールキットは、サプライヤーと、サプライヤーのために従業員を採用する業者が、公平かつ倫理的な採用活動に必要なデュー・ディリジェンスと記録管理を実施するのをサポートするものです。私たちはこのツールの開発とテストを行って、サプライヤーに使い方のトレーニングを実施し、さらに誰もが無料で使えるようにしました。これにより、様々な業界の企業が、自社サプライチェーンで働く人々の権利を守る取り組みを加速できるようにしています。
強制労働を防ぐ取り組みについて さらに詳しく(英語PDF)
300万人 以上 Appleのサプライヤー行動規範の対象となっている人の数
50か国 以上 Appleのサプライヤーが事業を展開している国の数
2,600 万人 以上 2008年以来、職場での権利に関するトレーニングを受けた人の数
話してください。 私たちが動きます。
現場の声を推進力に。
たった一人の声が、大きな変化を生むことがあります。だからこそ、私たちはサプライチェーンに関わるすべての人が声を上げられる環境作りに力を注いでいます。誰かが声を上げたら、私たちはその声にしっかりと耳を傾け、行動を起こします。2022会計年度には、サプライチェーンで働く53万9,000人以上を対象に、職場での体験に関する調査を直接実施しました。
私たちは、世界中のサプライヤー従業員に面談や調査を実施し、懸念を報告するためのホットラインも用意しています。そのすべての過程でプライバシーと匿名性が守られます。面談後も連絡を取り続けることを選んだ人には、フォローアップの電話をかけて、調査に参加したことにより報復を受けていないか確認しています。2022会計年度には、この電話が4万6,000件以上かけられました。
受け取ったフィードバックは、サプライヤーが職場環境を改善するのをサポートするために使われます。最も多く寄せられるのが、通勤手段、食事サービスの提供、そして職場サービスのスピードと効率性の向上をはじめとする職場の快適さに関する声と、職場のポリシーについての提案やマネージャーのスキル向上など、そのほかの主要事項に関する声です。私たちはサプライヤーと連携してそうしたフィードバックに対応し、その後も改善の経過を追っています。2022会計年度には、従業員からのフィードバックの結果として、サプライヤーの職場で5,400件以上の改善措置が講じられました。
私たちはすべての懸念の声と申し立てを深刻に受け止め、通常24時間以内にAppleのコンプライアンス専門家を現場に派遣し、迅速に調査します。問題が見つかった場合、懸念に早急に対処するための計画を導入するようサプライヤーに要求し、定期的な進捗報告も求めます。さらに、すべての是正措置がAppleの基準にもとづいて遂行されていることを確認します。ほとんどの計画は90日以内に完了し、完了後は必要な措置がすべて講じられたかを検証するほか、影響を受けた人々と直接連絡を取って、勤務スケジュールの調整や賃金および賞与の是正などの必要な救済措置を受けられていることを確認します。多くの場合、この検証と確認は独立した第三者専門家によるサポートのもとで行われます。
53万 9千人 以上 2022会計年度に職場での体験について直接調査したサプライヤー従業員の数
5,400件 以上 2022会計年度に従業員のフィードバックにもとづいてサプライヤーの職場で講じられた改善措置の数
8,300件 以上 2022会計年度に実施された規範に関する査定の結果、サプライヤーが講じた是正措置の数
教育
学びの機会を次から次へと 広げています。
Appleサプライヤー従業員 育成基金
健康とウェルネスに関する教育(インド)
力を合わせて一歩ずつ 前へ。
成長に新たな足がかりを。
2022年、私たちは5,000万ドルを投じてサプライヤー従業員育成基金を立ち上げました。この基金は、Appleのサプライチェーン全体とその周辺コミュニティの人々に向けて15年にわたり実施してきた、労働者の権利、人権、教育、スキル構築のプログラムを拡大するためのものです。職場での体験を向上させたり、貴重なスキルを新しい方法で学べるように設計された新規プログラムや拡充プログラムが用意され、基金を設立してから1年間で、Appleのサプライチェーンで働く120万人以上の人々が参加しました。
2022会計年度には、Appleのグローバルサプライチェーン全体で労働者の権利と人権を尊重することに焦点を当てたプログラムやパートナーシップを拡大。労働者と経営陣の間でより開かれたフィードバックを促す新しいコミュニケーションプラットフォームを構築できるようにサプライヤーをサポートしたり、職場での権利に関する教育のための革新的なトレーニングプログラムを新たに導入したほか、世界中でApple製品を作る300万人以上の人々からフィードバックを受けるための新しいルートを築きました。
さらに私たちは、Apple Education Hub(Apple教育ハブ)を立ち上げ、Appleのサプライチェーンで働く人々への教育機会の提供や、新しいキャリアオプションの開拓、現在と将来の仕事に必要なスキルの教育に向けたAppleの投資を拡大しました。
最高のイノベーションはコラボレーションから生まれます。だから私たちは、基金設立後の最初の1年間、国連の国際労働機関やFund for Global Human Rightsをはじめとする主要な専門家や組織とのパートナーシップに対する投資を拡大し続けることで、Appleのプログラムの拡張と強化を図ってきました。このようなパートナーシップから生まれる業界をリードする新しいツール、プロセス、基準を広く共有することで、ほかの企業もそれを活かして自社サプライチェーンにおける前進を加速できるようにしています。
120万人 以上 サプライヤー従業員育成基金の立ち上げ以来、トレーニング、 エンゲージメント、教育のための各種プログラムに参加した人の数
未来のためのスキル を磨く。
終わりなき学び。
教育には、機会を均等にする大きな力があります。私たちはAppleのサプライチェーンで働く人々に、現在の仕事のためのスキルを強化するだけでなく、新たな進路を切り開き、将来の仕事に備えるための教育の機会を提供しています。
2022年には、新しいAppleサプライヤー従業員育成基金の一環としてApple Education Hub(Apple教育ハブ)を設立。これは、2008年から実施してきたAppleのサプライヤー従業員教育プログラムを拡大するものです。
Apple Education Hubの立ち上げ以来、私たちは米国、中国、ベトナム、インドで前例のない学習の機会を提供しています。この取り組みは今後ほかの国や地域にも広げる予定です。 48万人以上のサプライヤー従業員が、専門能力の開発、先進的な製造、ロボット工学、Swiftコーディングなど幅広いトピックをオンラインや対面形式で学ぶ機会に参加してきました。Swiftコーディングのプログラムでは、iOSやmacOSの基礎から高度なコーディングに至るまで、あらゆることを学ぶことができ、自作のアプリをApp Storeで公開している修了生もいます。
教育は、誰でも受けられる必要があります。私たちは2022年に、障がいのある方の採用と職業訓練をサポートするための新規プログラムを中国で立ち上げ、学習、雇用、成功のための新たな選択肢を提供しています。
Appleが提供する教育プログラムが革新的で有意義なものとなり、現地の雇用市場でのチャンスにつながるように専門家と協力して取り組むことで、私たちはキャリアアップとキャリア開発のためのロードマップを提供しています。この取り組みのパートナーには、米国のCouncil for Adult and Experiential Learning、中国のZhejiang University、St. John’s Medical College、そのほか数多くの主要な教育機関や非営利団体が含まれます。
48万人 以上 Apple Education Hubの立ち上げ以来、学習と成長の機会に参加したサプライヤー従業員の数
540万人 以上 2008年以来、教育プログラムに参加したサプライヤー従業員の数
5つ Appleのコーディングプログラムに参加したサプライヤー従業員が開発し、現在App Storeで公開中のアプリの数
健康と安全
働く場所にも進化を。
サプライヤーが最も安全かつ 先進的な 施設を 作れる ように サポート しています。
ロジスティクス(米国)
健康と 安全 を。 体が資本 ですから。
安全なくして製造なし。
誰もが安全な職場で働く権利を持っています。業界をリードするAppleの基準をサプライヤーが満たしていないこと、または施設、機械、素材についてAppleが課している高いハードルをサプライヤーがクリアしていないことが判明した場合、私たちは製品の製造を開始しません。
新しい製品、製造技術、製造プロセスを開発するにあたって、私たちは自らの安全基準を常に評価しています。2022年には機械の安全基準を改訂し、私たちが求める安全保護の仕組みを設置前に機械に直接組み込むことを求めました。そして約750のサプライヤー施設で、機械安全対策の担当者5,700人以上に対し新しい基準についてのトレーニングを実施。Appleの要件を満たし、施設全体で安全を支える役割を積極的に果たせるよう、必要な知識を伝えました。
組み立て過程で使われる洗浄剤や脱脂剤など、より安全でより環境に優しい素材をAppleの製造プロセスに採用することは、人々の安全を守ることにつながります。サプライヤーは、化学物質の安全性についても業界をリードするAppleの基準を満たすよう求められており、これにはサプライヤーの従業員とその地域の環境を確実に守るための厳格な対応策も含まれます。私たちはさらに踏み込んで、化学の一流の専門家や、化学物質の安全性と労働者保護を専門とする非営利団体と連携し、エレクトロニクス業界におけるより安全でより環境に優しい素材の採用を加速させる取り組みも行っています。
私たちはサプライヤーと密接に協力して、安全に常に目を向け、話し合えるような職場文化を築けるようサポートしています。2022年には、主要製造施設の数千人のリーダーたちを対象に、業務全体で安全慣行を強化できるよう、職場を横断する安全対策チームの構築を成功させる方法についてトレーニングを実施しました。またサプライヤー従業員は、勤務の初日に、不安を感じた場合に声を上げる方法を伝えられます。従業員たちはAppleに直接、匿名で連絡することもできます。
サプライヤーの新型 コロナ ウイルス 対策を サポート。
パンデミックが始まった当初から、私たちは、施設に関わるすべての人々の健康を守るために必要なサポートとツールをサプライヤーに提供してきました。従業員に最新情報を明確に伝える。人の密度を下げるために時差出勤制を導入する。ワクチンに関する意識を高める。現場で検査を実施する。徹底した清掃基準を維持する。人々が質問をしたり意見を伝えたりできる手段を整える。これらは、サプライヤーが必要に応じて業務や施設を調整できるように提供してきたサポートの一部です。
集団感染が発生した施設に対しては、対面形式やオンラインでリアルタイムの支援も行いました。また、業界をリードする団体であるレスポンシブル・ビジネス・アライアンスを通じて、様々な業界の200社以上の企業に対し、Appleの知見や安全対策ツールを共有しています。
133件 2022会計年度に実施した、製造開始前の施設準備状況査定の件数
3千社 以上 Appleが作成した、環境に優しい電子機器製造向け洗浄剤に関する新しいIPC国際基準にアクセスできる企業の数
200社 以上 新型コロナウイルスに対するAppleのサプライチェーンプロトコルとツールにアクセスできる様々な業界の企業の数
ウェルネス も心がけて います。
予防は予習から。
健康は知識から始まります。だから私たちは、健康とウェルネスに関するトレーニングをサプライチェーンで働く人々に提供するプログラムの拡充を図っています。このプログラムでは、栄養学、リプロダクティブヘルス、がん早期発見、メンタルヘルス、新型コロナウイルスの予防といった大切なトピックを扱っており、2017年以来、Appleが提供するサプライヤー従業員向けの健康とウェルネスに関するプログラムを受講した人は370万人以上に上ります。
Appleの健康教育イニシアティブは人本位で設計されており、各地のサプライヤー従業員や従業員が暮らすコミュニティのニーズに合わせて内容を調整しています。このアプローチによって、人々は自分の健康を管理するための重要な知識とスキルを身につけることができ、学んだことをコミュニティのメンバーと共有することもできます。
メンタルヘルスは、健康とウェルネス全般における重要な要素です。私たちは2022年にメンタルヘルスへの取り組みをさらに強化し、新しいイニシアティブを立ち上げました。このイニシアティブでは、メンタルヘルス疾患に対する認識を高め、偏見を軽減すること、初期の前兆に関する教育を提供すること、サポートを必要としている人とリソースをつなげることに重点を置いています。
370万人 以上 2017年以来、Appleが提供するサプライヤー従業員向けの健康とウェルネスに関するプログラムを受講した人の数
職人も職場も高いレベル で鍛え抜く。
限界を突破する。
Appleの品質とスピードで製品を作るためには、世界レベルの製造パートナーとスキルの高い従業員との強固なパートナーシップが不可欠です。Appleのサプライヤーは、Apple製品を作るために必要な精度を実現できるように設計された、技術的に地球上で最も進んだ製造施設を運営しています。
これまで大規模にリサイクルされたことのない素材も対象に含めて、素材をリサイクルするためのまったく新しい方法を生み出すことから、先進的な製造プロセスを他社に先駆けて開発することまで、私たちは常に可能性の境界を押し広げています。こうしたイノベーションに伴って必要になるのが、最新のテクノロジーについてトレーニングを受けた人材です。このため私たちは、Apple Education Hub(Apple教育ハブ)を通して、先進的な製造の基礎、オートメーション技術、コーディングの重要なスキルを学ぶ機会をサプライヤー従業員に提供しています。
環境
あなたのことも地球のことも、 大切に 思って 設計しています。
すべてのApple製品に環境への 配慮を 組み込んで います。
AppleのiPhoneリサイクルロボット、Daisy(オランダ)
環境問題は、人権問題 です。
コミュニティと気候変動。
気候変動が世界に与える影響は日に日に明らかになっています。私たちは、地球を守るための自らのアプローチが人も考慮したものでなければならないことを理解しています。そして、気候変動が有色人種のコミュニティや弱い立場の人々にかたよって影響を及ぼす傾向にあることも認識しています。Appleは、各サプライヤーが事業を運営している地域のコミュニティという観点からサプライチェーンを考えています。
人種間の公平性もサプライヤーの 多様性も、 先を 行きます。
公平性を実現するためには、積極的に行動を起こす必要があります。2022年、Appleは、自社のイニシアティブ「Racial Equity and Justice Initiative」の一環として実施しているインパクトアクセラレーター(Impact Accelerator)プログラムに2期目の参加者を迎えました。インパクトアクセラレーターが対象にしているのは、黒人やラテン系、先住民族、褐色人種の企業家による、環境問題の解決に特化した事業です。インパクトアクセラレーターは、再生可能エネルギー、炭素除去、リサイクルに関するイノベーションといった分野へのAppleの投資を、有色人種のコミュニティが直面する制度的障壁をなくすことにもつなげて、米国におけるサプライヤーの機会へのアクセスを拡大しています。
2030年までにカーボン ニュートラル。 それは ゼロを目指す道のり。
すべてのサプライヤーと進みます。
Appleの企業活動は2020年以来、カーボンニュートラルを達成しています。私たちの次の目標は、Apple製品の開発、使用、さらにはリサイクルに必要なエネルギーまでも含めたAppleに関するすべてのフットプリントを、2030年までにカーボンニュートラルにすることです。これを実現するために、私たちはサプライチェーン全体で100%再生可能エネルギーへの移行を進めており、エネルギー効率に優れた施設を運営するとの確約をサプライヤーから得ています。
これまでに2億5,000万人以上のサプライヤーが、再生可能エネルギーでApple製品を製造することを確約しています。このことによって、製造に使用する電力のうち20ギガワットが再生可能エネルギー由来となる見込みとなり、2030年の目標達成にいっそう近づいています。さらに昨年、過去7年間の成果を土台として、私たちはすべてのサプライヤーに対し、2030年までにApple製品の製造を電気以外のすべての炭素排出も含めて脱炭素化してもらう意向であることを明確に伝えました。
地球のためのAppleの計画について さらに詳しく
2億 5,000万人 以上 再生可能エネルギーでApple製品を製造することを確約したサプライヤーの数
20ギガ ワット Appleのサプライチェーンで製造に使用される見込みの再生可能エネルギー
リサイクルのリニューアル を リードします。
作り方も循環型に。
私たちは、再生素材と再生可能な素材だけで自社製品を作り、採掘への依存から脱却することによって、製造におけるクローズドループを実現しようとしています。そして、この目標に向かって進みながら、サプライヤーには責任を持って原料鉱物を調達し、国際的なフレームワークに準拠した、人権や環境に関する厳格な基準を遵守することを求めています。Appleのサプライヤーに素材を提供する処理業者が私たちの基準を満たす能力または意志がない場合には、Appleのサプライチェーンから除外されます。
スズ、タングステン、タンタル、金、コバルト、リチウムなどの主要素材をAppleのサプライヤーに提供する処理業者は、独立した第三者による監査に参加しなければなりません。私たちは毎年、参加企業のリストを公表しています。またAppleは、サプライチェーン全体で素材のトレーサビリティを高めるためにブロックチェーン技術を活用するなど、責任ある調達の分野で革新を起こし続けています。
再生素材と再生可能な素材だけでApple製品を作り、製造におけるクローズドループを実現することは、カーボンニュートラルの目標達成にもつながります。2022年には、認定取得済みの再生金をApple Watch Ultra、Apple Watch Series 8、Apple Watch SEにも採用するなど、100%再生素材で作った製品部品をさらに増やしました。アルミニウムのリサイクル技術への投資も続け、最新のiPad、Apple Watchの様々なモデルとM2チップ搭載MacBook Airのケースや筐体に100%再生アルミニウムを採用しています。
素材を循環させるうえで、リサイクル業者が効率的かつ安全にApple製品をリサイクルできるようにサポートすることも重要です。私たちは電子機器リサイクル業者向けの「Apple製品リサイクルガイド」を作り、Apple製品を安全に分解して素材を最大限に回収できるようにしています。
Appleの製錬所と精製所のリスト (英語PDF) を読む
100% 2022年の監査に参加し、Appleの厳格な素材調達基準を満たしていることが確認されたスズ、タングステン、タンタル、金、コバルト、リチウムの精製所の割合
100% 原材料調達、再生素材を問わず、責任ある方法で調達されたバッテリーの主要素材の割合
ゴミが出る 工場を捨てる ために。
もったいないを作らない。
私たちは、Apple製品の製造のあらゆる側面を考慮しています。製造プロセスによって生じる可能性のある廃棄物も例外ではありません。サプライヤーに対しては、リサイクルと再利用のプログラムを導入することで、事業を展開するコミュニティで埋め立て処理される廃棄物を回避する方法を指導しています。現在、主要なApple製品の既存の最終組み立て施設はすべて廃棄物ゼロ認定を取得しています。
2022年には、廃棄物ゼロ認定を付与する認定機関のULと連携して、廃棄物ゼロの基準の採用をAppleのサプライチェーン全体に広げる取り組みを始めました。Appleが開発に協力した新しいプロセスによって、サプライヤーは複数の施設で基準を同時に採用し、廃棄物の削減をより効率的に進められるようになります。その結果、参加サプライヤー施設の数が大幅に増え、2022会計年度だけで150の増加となりました。
水の管理に、変化の波を。
水は世界中の人々や生態系が共有する極めて重要な資源です。共有資源である水を保護するためには、環境負荷が少なく、経済的に維持可能で、コミュニティをより強固にするような保全とスチュワードシップの慣行が必要です。
だから私たちは、サプライヤーが事業を展開する地域に水をもたらす流域を包括的にとらえ、その地域の環境とコミュニティのニーズを考慮するアプローチを取っています。2015年にClean Water Programを立ち上げて以来、17のサプライヤー施設が、世界有数の水管理機構であるAlliance for Water Stewardship(AWS)の認定を受けており、そのうち15施設が最高レベルであるプラチナステータスを取得しています。AWSの認定プロセスの一環として、独立した監査機関が施設内外の多岐にわたる要素を調査。そうすることで、サプライヤーが水資源を守るためにコミュニティと連帯して責任を果たしていることを確認します。
2億 3,848万 kL これまでにAppleのClean Water Programを通じて節約できた真水の量
52万 3千トン 以上 2022年に埋め立て処理されず転用された廃棄物の量